第225話あの時彼女はひどく苦しんでいた

「気分はどう?」

エミリーが部屋に入ると、目に映った光景は思っていたのと少し違っていた。

彼はきっと、冷たい気配をまといながら、弱りきって病人らしくベッドに横たわっている――そう想像していたのに。

ところが入った瞬間、彼はヘッドボードにもたれ、いかにも力が入らない様子で上体を起こしていた。その目がどこか……恨めしげで、哀れを誘うようにも見える。

それが、エミリーの胸をちくりと刺した。

自分が、ひどく薄情な女みたいに思えてしまう。

「いつもと同じだ。何が悪いっていう? 薬はもうもらっただろ」

ダニエルの声は平板だったが、表情には明らかに感情が滲んでいた。

その不意の落差に、エミリ...

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